風和通信168号

百歳の大往生

向井千尋

 

 大正生まれのみちこさんは、ご主人を戦争でなくされた後、家業を守り、得意だったお裁縫を教えたりしながら生計を立て、子どもを育て、激動の大正、昭和、平成を生き抜いて来られました。その道は、私ごときの想像には及ばない壮絶な人生であったとことと思われます。風和に通ってこられるよしえさんもみちこさんのお裁縫の生徒さんだったらしく、「私のお嫁入りの着物もみちこ先生に作ってもらったんですよ。まさか、ここで(風和で)再会できるなんて夢のようです。」と言われていました。

 お裁縫が上手で、こころやさしく、いつも静かで謙虚なみちこさんでした。そんなみちこさんの百歳のお誕生日を先日、風和の皆でお祝いしたばかりでした。みんな長寿を「あやかりたいなあ!」と話していました。その後、厳しい今冬、風邪をこじらせで2週間ほど入院されましたが、無事退院されてほっとしていた矢先、梅の花が咲き始めた弥生、ふいに突然のように旅立たれました。愛する家族とともに在宅での最期でした。お別れはとてもさみしいですが、すばらしい大往生の百歳。いのちはめぐる、みちこさんのいのちと共に在ったこと、これからも共に在ることを想う桜の季節です。

百歳のお誕生日


もくじ

百歳の大往生   向井千尋
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